今夏號の活字倶楽部に巻頭大特集として有栖川有栖氏のインタビューが掲載されておりまして、ファンの皆樣はすでに讀了濟かと思います。で、やはり自分的に氣になったのは「乱鴉の島」が話題になったところで藍霄氏に言及しているかなア、ってことだったんですけど今回はナシ。
それでもひとつ興味を惹いたことは「書斎拝見!」というスナップの中で「虹果て村の秘密」が海外で飜譯されていることについてふれています。
アジア諸國で翻訳されている『虹果て村の秘密』(講談社)二種類を激写?!判型は同じものの一册は日本版と近いテイストで縦書きの右綴じ、もう一册は少女まんがテイストの挿絵入りで横書きの左綴じ。日本の読者が飜譯された海外ミステリに触れるように、有栖川作品もアジアから世界に飛び立ち、たくさんの人に読まれている。
因みに上にある「日本版と近いテイスト」のものは、寫眞を見た限り、台湾の麥田出版社からリリースされているものでしょう。掲載されている寫眞はモノクロなので判然としませんが、実物は日本版と同樣、鮮やかな青色の装丁です。
一方分からなかったのが右にある「少女まんがテイスト」のもので、台湾版にしては『横書きの左綴じ」というところがちょっと台湾でリリースされた作品とは思えない。まあ、台湾でも明日便利書の文庫サイズシリーズなどは横書きの左綴じだったりして最近では格別珍しいという譯でもないのですけど、台湾版にしては装丁を違て二册をリリースするというのも考えがたいし、……で、ちょっと調べてみたところ、これは簡字體で書かれた大陸版のようです。
版元は接力出版社で、正式なタイトルは「日本少男少女侦探小说系列――彩虹村的秘密」。香港ならまだしも大陸の出版事情については自分もまったく明るくないのでよく分からないのですけど、有栖川氏の作品が大陸でもリリースされているというのは嬉しい驚きでありました。
で、この記事に「アジア諸国」とあるからには、中國語のほか多國語に飜譯されていたりもするんでしょうかねえ。日本のミステリ作家で、英語(島田御大や戸川センセなど)や中國語以外の言語に譯されているとしたら、果たして何語なのか、興味のあるところですよ。