ようやく二階堂黎人氏の「人狼城の恐怖」の第一部ドイツ編が台湾でリリースされましたよ。タイトルは「 恐怖的人狼城 第一部:徳國篇」。煽り文句がふるっていて「 史上最驚殺人事件!篇幅最長推理小説!」と、とにかくトンデモなく長い小説ですよッということを強力にアピール。
しかしその一方で本作の構成を知らない台湾のミステリファンからは「全部讀まないと眞相が分からないの?(それだったらイヤだな)」みたいな声もあるようですが、まあ、このあたりは実作にあたってもらうしかないでしょう。
ジャケのデザインは日本でリリースされたノベルズ版、文庫本よりは遙かに作品の雰囲気を伝えている素晴らしいものですねえ。このチープ感こそが二階堂テイストですよ。やはり氏の探偵小説のジャケはこうでないといけません。小洒落た雰囲気よりもこういうバタ臭い味があった方が斷然氏の作品の装幀にふさわしいと思うのですが如何。きっと今頃台湾からロケットで送られてきた本を手にして、二階堂氏もニンマリしていることでありましょう。
ただ心配なのは、これ讀んで台湾のミステリファンが日本で(いろいろな意味で)話題の二階堂黎人ってのはこんなもんか、と投げ出してしまうんじゃないかということでありまして。個人的には「人狼城」よりも「吸血の家」とか「カーの復讐」を先に出した方が良かったんじゃないかなあ、と思ってしまうのですが、もう遲いですか。