ようやく二階堂黎人氏の「人狼城の恐怖」の第一部ドイツ編が台湾でリリースされましたよ。タイトルは「 恐怖的人狼城 第一部:徳國篇」。煽り文句がふるっていて「 史上最驚殺人事件!篇幅最長推理小説!」と、とにかくトンデモなく長い小説ですよッということを強力にアピール。
しかしその一方で本作の構成を知らない台湾のミステリファンからは「全部讀まないと眞相が分からないの?(それだったらイヤだな)」みたいな声もあるようですが、まあ、このあたりは実作にあたってもらうしかないでしょう。
ジャケのデザインは日本でリリースされたノベルズ版、文庫本よりは遙かに作品の雰囲気を伝えている素晴らしいものですねえ。このチープ感こそが二階堂テイストですよ。やはり氏の探偵小説のジャケはこうでないといけません。小洒落た雰囲気よりもこういうバタ臭い味があった方が斷然氏の作品の装幀にふさわしいと思うのですが如何。きっと今頃台湾からロケットで送られてきた本を手にして、二階堂氏もニンマリしていることでありましょう。
ただ心配なのは、これ讀んで台湾のミステリファンが日本で(いろいろな意味で)話題の二階堂黎人ってのはこんなもんか、と投げ出してしまうんじゃないかということでありまして。個人的には「人狼城」よりも「吸血の家」とか「カーの復讐」を先に出した方が良かったんじゃないかなあ、と思ってしまうのですが、もう遲いですか。
こんにちは、またお邪魔します。(笑)
この文章を読んで、taipeimonochromeさんは早!としか言えないんです。
台湾のネットブックストアーはこの作品の情報はまだ載せていませんから。
私は買おうと考えます。正直に言って、原書はどうしても読みたい!という気持ちはあまりないんです。(汗)ですから、訳本があれば、読んでみようかと思うわけです。
>個人的には「人狼城」よりも「吸血の家」とか「カーの復讐」を先に出した方>が良かったんじゃないかなあ、と思ってしまうのですが、もう遲いですか。
はい、遅いです。(きっぱり)(爆)
発表順で出版されるのは作家に最低限度の尊重でないかと思いますけど、
台湾の出版事情ではすこし無理ですね、作家全集をやらなければ、やはり話題作か代表作を出して、読者の関心を惹くのは最も無難です。
二階堂氏の作品の中ではやはりこの作品は一番有名だから、比較的に売りやすいかもしれませんね。講談社の作品は全部出すとのうわさを聞いていますけど、個人的には『吸血の家』だけを出せたほうがいいじゃないかと密かに思っています。(汗)余談ですが、芦部氏の『紅楼夢の殺人』も近いうちに台湾で出版されます。
みやびさん、こんにちは。
自分は一度挫折していますからねえ、人狼城(^^;)。やはり長すぎるのがちょっとですよ。確かに「吸血の家」は地味かもしれません。個人的には好きなんですけど、派手さと話題性を狙っていくのであれば、人狼城になるのでしょうねえ。二階堂氏の怪奇趣味を台湾のミステリファンがどのように受け取るかちょっと興味あります。ただ思うに、飜譯者の文体に大きく依存するような氣がします。良くも惡くも乱歩を模倣したような二階堂氏の文体が、中國語に飜譯されることで洗練された文章に纏まっていることを期待しますよ(爆)。
ところで「紅楼夢の殺人」が台湾で出るのは嬉しいですね!個人的には芦辺氏の現時点での最高傑作だと確信している本作、日本のミステリ史の中でも非常に重要な位置を占めている作品だと思います。これをきっかけに森江春策探偵のシリーズも台湾で出版されるといいんですけどね。