「JASMiNE TALK / 仙波清彦」を紹介した時に予告した通り、今回は上野洋子のソロアルバム第一作となる本作をとりあげてみようと思います。
「JASMiNE TALK / 仙波清彦」には企畫段階から參加していたと彼女は自分自身のサイトで書いています。本作は歌い手としてだけではなく、作曲、そしてアレンジなどの面においても彼女獨特の個性が光る素晴らしい作品。
收録曲の總てに女性の名前がつけられているのですが、それぞれの曲に彼女の個性的な歌聲が重なるという趣向で、彼女の声は個性的なのですが、樣々なカラーを持ち合わせているところが、ほかの歌手とは大きく違うところ。ある時はブルガリアン・ボイスっぽく、またある時は子供のような甘い歌聲を、またある時はふわふわとたゆたうような天使の声を、というかんじで、とにかく彼女のすべてを堪能できるが嬉しいところです。
お氣に入りは一曲目の「Aoife」、そして九曲目の「Sally」ですかね。「Aoife」の、重いキーボードの音の彼方から聞こえてくる彼女の声、そしてそれにお得意のブルガリアン・ボイスが重なるところが良い。また「Sally」は何処かで聽いたような旋律なのだけども、この懷かしさというのも彼女のつくる曲の特徴のひとつといえよう。ザバダックよりも柔らかく、リラックスできる珠玉の一枚。