スティーブ・ライヒって、昔からプログレを聽き込んでいる人たちには結構メジャーというか、七十年代のジャーマンロックなども多分にミニマル音樂的なところがあったので、ああいう音も容易に受け入れることができたのだと思います。
ライヒの代表作は何か、といわれても、時代によって音も微妙に変化してきている彼のこと、ちょっと迷ってしまう。好みでいえば、前期は「Drumming」、そして中期はこの「TEHILLIM」ですかね。あくまで好みでいえばですが。
このアルバムは聖書の詩篇から引用したヘブライ語の唄もあって、樣々な樂器によって奏でられるミニマルな音の上に神を称える歌聲が重なります。
このアルバムではパートは四つに分かれているのですが、パート2の盛り上がりが壓卷。
勿論、パート1における輪唱のように、二つの声がお互いを追いかけていくようにして音の厚みを増していく緊張感も捨てがたいし、靜謐なパート3や4も捨てがたい。ジャーマン・ロックにハマったことがある人なら好きになる音だと思います。