何か凄いことになっています。ティポグラフィカといえば、以前取り上げたOptical*8などとともにゴットマウンテンレーベルの中でも際だった存在で、自分のようなプログレ好きには訴えるものがあった、らしい……らしい、と書いてしまったのは、彼らのファーストを聽いても今ひとつ自分にはピンとこなかったからで。
何というか、確かに奇妙な変拍子と何処か和み系とでもいうべき、少しばかりユーモラスな作風は大変個性的なバンドではあったのだけども……どうも自分の好みには合わなかったようで、少しばかり聽いてそのままになっています。
で、今回のUnbeltipo。色々なところを廻ったみたら、今堀恒雄のソロワークというあつかいになっているみたいですけど、今堀の経歴のところにも、シッカリとティポグラフィカのことが触れられています。
うーん、確かにちょっと繰り出される旋律はティポグラフィカの名殘もあるのですけど、これは全然違うバンドという印象です。少なくとも自分が聽いていたファーストの雰圍氣とはまったく違う。
最初の「Method of panic」でもう壓倒されてしまいました。何というか、竜卷に襲われて、そのなかを翻弄されているかのような怒濤の曲展開がとにかく凄い。特に二分を過ぎたあたりからの盛り上がり方が良い。今堀のギターソロがとにかく素晴らしい。そしてこれはアルバム全体を通してなのだけども、ベース、ギター、そしてドラムとすべての音が重く、厚い。一音一音が尋常でない迫力をもって迫ってくる。そのなかでもナスノミツルのうねくるベースが個人的には一番印象に残りました。
今年手に入れたアルバムの中では一番衝撃を受けた一枚となりそう。