ROVO の最新作。「PYRAMID」から聽き続けている自分にとっては、これ、最高傑作ではないでしょうか。
何というか、「SAI」の疾走感と「FLAGE」の浮游感が絶妙なバランスで組み合わされている。「URMA」や「LOQUIX」のビート感も良いが、「NOV」の、ポポルヴーのような内省的な曲も素晴らしい。
やはり勝井のバイオリンは本当に耳に殘るなあ。勿論、全員がバカテクの持ち主なのだけど、自分にとっては、勝井のバイオリンの音色が一番衝撃的。
何かダモ鈴木のボーカルが入っていたら、「future days」當事のカンの作品といっても分からないくらい、音の質感が似ているなあ、と感じたりもする。心地よさのなかに毒のある音もその通りだし。それでも、このドラムとパーカッションの重さは紛れもなく九十年代の日本のアンダーグラウンドシーンを通過してきた音ではないでしょうか。
アルバム最期をしめくくる「REOM」。勝井のバイオリンは控えめだけども、山本のギターのアルペジオはひたすら美しく、終盤に至るにしたがって高まっていくドラムとパーカッションのバトルはこのアルバムでも聽き所のひとつといえよう。
聽けば聽くほど、カンとポポルヴーを髣髴とさせる本作だけども、音の質感は紛れもなく、現代の音。プログレを知らなくても(ROVOはプログレじゃないもんねえ)、こんな凄い音を聽くことができるっていう事実に感謝感謝。二十年先、三十年先にも殘るであろう傑作の誕生。というわけで、今後は本作「MON」をもってROVOの最高傑作とする。