Phewのソロアルバムで所有しているのはこのアルバムだけなのですけど、インパクトは強烈。はっりいってしまえば、カンのあの音に彼女のボーカルと思って宜しい。というのも、このアルバムに參加しているメンバーということで書かれてあるのは、HOLGER CZUKAY, JAKI LIEBZEIT, CONNY PLANKという面々。ドラムといい、何か奇妙な音響処理といい、まさにカンの暗いのに何処か拔けているあの音に、これまたPhewの調子っ外れで投げやりなボーカルが絡んでくるという趣向。
日本語の歌詞についてもまったくの意味不明で、強烈な印象を残す。特に「SIGNAL」「踏切遮断踏切遮断」は個人的に耳について離れないインパクトがありました(笑)。
Phew自身がそもそもどのような音樂をつくるひとなのは今ひとつ自分には情報がないので、ホルガー・チューカイの影響がどれほど及んでいるのかちょっと分からないのですけど、カンの、特に初期の音が好きな人はハマってしまうであろう音であることは確か。
自分は発売当初、單行本で讀んだクチなのですが、この装丁が結構洒落ていて好きでした。さて、この作品ですが、島田莊司ファンに対するリトマス試験紙であります。この作品で「島田莊司、大丈夫か、おい?」と感じた讀者も多かったとか多くなかったとか、……という話はおいといて、とにかく今までとはちょっと作風が変わってきたな、ということは確かで、タイトルも漢字で二文字と素っ氣なく、また暗闇坂のようなケレン味のある際だったトリックもない。更にはノッケから御手洗と大学教授との衒學的な議論が延々と續き、非現實的なおとぎ話を讀まされることになる。