ジャケ買いしてしまった一册。素材は良いし、出來の方も悪くないと思う。ただ、どうも時折挿入される風景寫眞がちょっと邪魔。野村誠一の寫眞集に見られるもののような説得力がないような氣がするのだ。それでも綜合で次第點はいっていると思います。
コンパクトな寫眞集乍ら見所は多い。ジャケにもある光澤のある濃緑の水着寫眞は前半に登場。表紙をめくるなり、濃緑の水着に黒のスカートかキャミのような服を纏った彼女がベットに寝ているカット。出だしからなかなか期待させてくれる。さらに頁を繰ると、生地の少ない濃緑の水着姿で佇む彼女の全身。この寫眞も表情が良い。前半はこの水着のカットが続く。胸を強調した黒のワンピース姿も素晴らしいが、やはり妖艶さを漂わせている濃緑の水着のカットが一押し。
水着のカットが終わり、ようやくタイトルのsplitが現れたところでややボルテージが落ちる。ハイキーっぽいカットは外で撮影されたもので、やたらと瀧の風景寫眞が挿入されるのはちょっといただけない。またこのロケ地での撮影はちょっとアンダーっぽくて、モデルの白い肌の美しさを堪能出來ないのも減点である。
瀧でのカットが終わると、蜥蜴の死体に蟻が群がる写真が飛び出して驚かされるがとりあえず無視して先に進むと、グレーのスポーツ下着のカットが続く。臀部のみ、または膝のみといった野村誠一風のカットが挾まれるがちょっと説得力がないです。おそらくこれは構図によるものだと思います。野村誠一の場合、こういうパーツのカットでも構図に手を抜くことがないのですが、この寫眞集のカットはちょっとその點の詰めが甘い。
続いて黒の水着。下はジーンズ地の水着なのですが、この一連の写真は明るく、彼女の肌、表情がはっきりと分かる。
また室内に戻って、今度は茶色の水着の写真が少しあり、そのあと、再び外に出て、緑のセーターを纏った彼女の写真。下は黒の水着。セーターを脱いで沼に入ろうとするカットをはさんで、花柄のビキニのカットが続き、ベットの上での白の下着のカットが交互に挿入される。
見開きで鍬形の死骸のカットのあと、黒の花柄シュミーズ姿の寫眞を堪能しておしまい。見所は前半の濃緑のビキニと、後半の黒の花柄シュミーズですかねえ。
コンパクトな寫眞集乍ら、うまくまとまった佳作。