あんまりアイドルの寫眞集は買わないんですけど、このテの寫眞集って普通の本とは違ってなかを改めることは出來ないのに値段が高いときている、ならば情報は多い方が良いだろう、ということで、購入を考えている方に少しでも參考になればと思い、簡単乍らその内容と印象を書き留めておくことにします。
まず自分は松本まりかの大ファンというわけではありません。何となく氣になっている存在ではあるのですが。一番最初に彼女を知ったのは確かテレビの番組で、中国四川省にあるパンダの保護施設で彼女が飼育員の人たちの手傳いをする、……みたいなものだったと記憶しています。
その時にちょっと氣になったので、彼女のファスート寫眞集を購入し、チェック。うん、確かに可愛い。それでもその寫眞集はまもなく手放してしまいました。彼女の魅力がなかったというわけではなく、寫眞集としての魅力が少なかったから。
次に出た寫眞集の「私生活」も購入してみました(実は自分って、結構まりかのことが好きか?)。なかなか面白い寫眞集ではあったけど、これも暫くして手放してしまいました。これも同じ理由で彼女に魅力がなかったというわけではなくて、どうも寫眞集として訴求力がなかったというか。
で、今回の「きっと」なのですが、ジャケからして煽っています。裸。そしてちょっと憂いを含んだまなざしでじっとこちらを見つめるまりか。期待はいやが上にも高まるってものじゃないですか。
いよいよ中身なのですが、……ああ、いやな予感が當たってしまったというかんじです。素材はいい、……しかしどうにも寫眞がいただけない。紙の質もあるのでしょうが、全編これ粒子の粗い寫眞ばかりで、彼女の純粹な美しさを引き出すことが出來ていない。
前半は海邊でのショット。彼女の彈けるような笑顏は良いのだけども、どうにも構図が落ち着かない。というか、自分好みではない。そして裸にアルミホイルを卷き付けた意味不明のコスチュームもちょっとねえ……。
森のなかで白のドレスっぽい衣裝を着てのショット。これは悪くない。でもどうにも粒子の粗い写真で今ひとつ彼女の魅力を……って繰り返しか。
網タイツに娼婦っぽい化粧を施した彼女がゲームセンターで大胆な恰好をしている写真の何點かはぐっとくるものがあるのだけども、写真が小さい。貳頁に11枚。寧ろこの写真を大判に持ってきてくれた方が個人的には良かった。
港の倉庫置場で青のドレスを着ての撮影。挑發的な眸で魅せてくれますが、まあ普通。
続いてホテルの一室にて、白のタンクトップにジーパン。下半身のアップのショットではジーパンのホックを外してピンクの下着を見せてくれていますが、まあご愛敬程度。この寫眞集に彼女のセクシーショットを期待してはいけません。
そのあとは、プレイボーイにも掲載されていた毛絲のビキニでのショット。
子供っぽいビキニの水着での畑のショットが暫く續きますが、まあ、この數頁は軽く飛ばして、再び小さい寫眞15枚を纏めて掲載した見開き。この中にも素晴らしいショットがあるのですが、編集者は何故この寫眞を大判に使わなかったのだろう?まったく不思議。
次に、紺色のシュミーズっぽい衣裝を纏い、ホテルのベットでの撮影。何かこの顏って、モデルの山田優に似てる。
いよいよ後半最大の見せ場であるセミヌードですが、過剰な期待は禁物。この一連の寫眞ももう少し質の高い紙だったら、と思うと、本当に惜しい。またヌードで體育坐りという黄金のポーズの寫眞も見開きに纏めて四枚を掲載するという意気地のなさ。これではセクシーショットを期待していた御仁は滿足出來ないでしょう。
最後は黒のドレスを着た彼女が夕暮れの濱邊を歩くショットで完。
結論をいうと、微妙な寫眞集である。從來からのファンに対するものではないでしょう。昔からのファンは彼女の清純なところに惹かれていたわけで、こういうセクシーショットなど彼らは望んでいないでしょうから。ではプレイボーイの講読層はどうかというと、彼らにはこれくらいじゃまったく物足りないでしょう。新しいファンを開拓するにしてはちょっと中途半端。それでも、紙質がもっと良ければ、後半の艶っぽい寫眞も際だった筈で、これは彼女とカメラマンの責任というよりは編集者の問題でしょう。編集を再考してリミックスすれば、もっと價値のある寫眞集になると思う。