乙一のデビュー作。綾辻行人の奧さんの解説によると、作品を書いていた當事、彼の年齡は十六歳、そして発表されたときには十七だというから驚きである。早熟の天才というか。本書に収録されているのはジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞した「夏と花火と私の死体」と「優子」の二編。
死体の一人稱、という奇妙なアイディアを活かしたタイトル作といい、「優子」の後半になって世界が反転する構成といい、この時點ですでに獨特の風格を持っている。現在の作品に比べてさすがに文章は硬いけれども、この場合は構成とアイディアのすばらしさに浸るべきでしょう。
「優子」あたりはいかにも綾辻行人が好きそうな作風で、文体をちょっと變えたら夢野久作の作品でも通用しそうなかんじで、なかなかよい。たった二作品が収録されているだけで「ZOO」のような滿腹感は望むべくもないのだけども、乙一の原點を知るという意味でははずせない本である。
「天空」とか良質なチャイニーズポップアルバムを出していた彼女が、自ら作詞作曲に取り組んでつくった大傑作アルバムがこれ。とにかくプログレ的というか、メロディーといい、音響処理といい、普通のチャイニーズポップスではくくれない強烈なインパクトを放っている。それでいて絶對日本やイギリスといった音樂圈から出てこないであろう獨特の音が素晴らしい。