前回の続き。今回もリクエストに応えて、ボンクラの文章は極力控え、写真に簡単なコメントをつけるだけにします。
御大が新星の社長とメディアの取材抜きで会談をされた後海は、人工湖のまわりに洒落たバーが立ち並び、夜ともなれば赤青緑のネオンとともに、そこここから店内からのライブ演奏が洩れ聞こえてくるという観光スポット。湖の方はすっかり凍っていて、地元の人がスケートに興じていました。
前回、青馬文化の招きで訪中されたおりにも、ここ後海を御大は訪れていて、その時に屋台で売られていたレーザーのおもちゃに興味を持たれた様子。路上で緑のレーザー光線をチラチラさせながら売っている露天商人が声をかけてきたので、蓬田氏が御大にプレゼントしようと提案したものの、同道した天蠍小豬氏を含め、皆の強硬な反対にあい、これはあえなく断念。
後海の裏道をずっと行くとレストランがあって、食事はそこの個室で。ただ北京大学での講演が迫っていて時間もなく、やや慌ただしいかたちでのものとなりました。飲み物は何にするか、ということになって、普通であれば御大はビールを注文するのですが、講演を控えているので、このときは皆でジュースに。台湾で飲んだ梅ジュースみたいなやつ、と御大からのリクエストがあって、プラムのような芳香のする甘酸っぱいジュースを皆で飲みました。
中華というよりは、エスニックなかんじの料理で、これがなかなかの美味だったのですが、何しろ時間がないもので、皆は押し黙ったきり黙々と食事をするばかり、――と、そんななかでもメディアの取材が控えており、ここでも食事をしながら女性記者の質問に御大は気さくに答えてらっしゃいました。
御大の向かって右が水天一色嬢で、「蝶の夢」に作風についてや、現在刊行されている彼女の作品について御大が質問。このあたりは「蝶の夢」の解説にもありますが、乱神館シリーズのほか、「老公子」という現代を舞台にしたミステリが二冊、そして現在、乱神館シリーズの新作を執筆中、とのことでした。
ここで日本から駆けつけた御大ファンにして専属カメラマンである日本人の方が、講談社版「蝶の夢」を取り出し、水天一色嬢をサインを求めると、はにかみながらもサインに応じてくれました。ちなみに水天一色嬢は京極夏彦を読んだことがないとのこと。好きな作家はクリスティだそうです。
慌ただしく食事を終えると、地百商場まで徒歩で移動し、そこから北京大学までは車で移動しました。写真は通訳の姚迪氏と話をしながら歩いている御大の後ろ姿。
とりあえず今回はこのくらいで。次回は北京大学での講演について取り上げてみる予定なのですが、出来れば講演の内容をテープ起こししてからにしたいと考えています。今週末あたりに暇が出来れば、ということで。というわけで以下次號。