最近ハマっているのが新作書きおろし長編「白菊」も話題の藤岡真センセのサイトの日記「日々是好日乎」でありまして、この中でセンセは4月13日、そして今日と二度にわたって、自作がバカミスと呼ばれることについて述べています。
何かセンセ、バカミスって呼ばれることが嬉しくないみたいなんですよね。で、今日の日記では、ネットの書評で自分がどんなふうに呼ばれているかというその「惨状」について、「思い切ってその総てを挙げて」いるんですけど、引用すると、
・バカミスの巨匠藤岡センセの新作です
・自分の作品が「バカミス」と言われていることにあとがきで触れているけれど、自分でも結構「バカミス」と言われることを喜んでいるんじゃないか
・奇想バカミスの作家、藤岡真の文庫書き下ろし長編
・作者らしいバカミスということができる
・アホミスじゃないけど、その手の物が好きな方にお奨めです
・どこか歪な真相、結末。バカミスだと思う
・この人天然でバカミス王侯なのではないか
・作者はバカミスといわれるのはご不満だそうです
何か最近見かけたフレーズが結構あるなあ、なんて思って、引用された文章をググってみた譯です。で、まず最初の「バカミスの巨匠藤岡センセの新作です」をキーワードにググってみた結果がこれ、……って自分じゃないですかッ。スミマセン、藤岡センセ。でも自分はここでも「白菊」はバカミスではないと書いているので許してください。心当たりのある方、上のキーワードで檢索をかけてみるのも一興でしょう。
でも確かにセンセの作風を凡百のバカミスと一緒くたに論じてしまうというのが問題であることも事實でして、何かセンセの作風をうまく言い表すことの出來る名前を考えないといけないなあ、と思うのでありました。でも、センセの作風は最近のミステリの風潮から鑑みるにある意味孤高な存在で、そもそもがジャンルというふうなカテゴリで括るにはあまりにその数が少なすぎる。
4月13日の日記を見ると、「カルト」と呼ばれるのは問題ないようなので、「バカ」と「カルト」を合わせて「バカルト」というのはどうか、とか「本格」「変格」「脱格」と照應するかたちで最後の「脱格」から一文字をとって「脱力」というのはどうか、とか頭に思い浮かぶのはクダラないものばかりで、なかなかセンセの作風に相應しい言葉が見つかりません。
しかしこのままバカミスという言葉がセンセの作品に定着してしまえば、現在センセが鋭意執筆中の「「六色金神殺人事件」の大トリックを凌駕するような作品」はこれまた「超バカミス」なんて呼ばれてしまうことは確実、この作品がリリースされる前にはどうにかしないといけないッと考えてしまうのでありました。何かこれだ、というのがありませんかねえ。