何か正月休みだっていうのに、全然本を読めませんでした。妻と一緒に元旦から福袋を手に入れる為に竝んだり、家族で初詣に行ったりとまあ、ゴロゴロしている暇もなく休みも終わってしまったというかんじです。
で、本作なんですが、前回手に入れて面白かった水乃サトルもののこちらは短篇集。
「ビールの家の冒險」、「ホルマフロディトス」、「『本陣殺人事件』の殺人」、「空より来たる怪物」の四作が収録されているのですが、お氣に入りは「『本陣殺人事件』の殺人」ですかねえ。
「ビールの家の冒險」は解説にもあるように「日常の謎」に属するもので驚きもなく(というか自分は北村薫の初期作品とか実は愉しめないクチ)終わってしまう。「ヘルマ……」のトリックは何となく分かるのですけど、なるほど、連城とか泡坂が使いそうなこういう仕掛けをこういう設定で使いますか。
「本陣殺人事件の……」は、あの横溝の本陣殺人事件のトリックが小説通りにはうまくいかず、本當の眞犯人は……という趣向が愉しめる一作。何だか屋根の上で仁王立ちになって笑っている水乃サトルとか、このシリーズは人物描写がほほえましい。「空より来たる怪物」における水乃の先輩ブタモさんも妙に笑えるし。で、最後の「空より……」は島田莊司風の謎の設定が興味深いけど、うーん、宇宙人の描写が出て来たあたりで、何となくこんなもんかな、と思ったのですが予想通りでした。やはり長編の方がこのシリーズは愉しめますね、個人的には。というわけで昨日、「輕井沢マジック」も購入。