野葡萄の今月號が届いたんでワクワクしながら推理野葡萄の特集ページをチェックしてみたんですけど、綾辻氏の訪台ネタは「本格推理新浪潮」という氏の紹介記事と、三段組にして三頁にわたる野葡萄のインタビュー記事だけという構成で、正直物足りない。
島崎御大、既晴氏との鼎談に關する記事は一切なしで、實際の内容の殆どをしめるインタビュー記事に關してもディープなツッコミはなく、「作品のインスピレーションはどうやって得ているのか」とか「ホラー映畫は好きか」、「館シリーズでは大ネタとして建物の特殊な仕掛けがあったりするが、この點で何か難しかったことは?」、「館シリーズを執筆する上で何か特別な研究などをされたことは?」とか、「作品の中で嵐の山荘系の展開をよく用いるけどもこれは何故?」、「『フリークス』は他のミステリの作風とは異なるけども、精神病院を舞台にしたことについて何か」、「『フリークス』みたいな作品を書くときにはどのような心境で執筆に挑んでいるのか」、……みたいなかんじで、綾辻ファンにとって興味のあるネタなのか、果たしてここで紹介する價値があるのかどうか、ちょっと微妙ですよ。
まあ、週末あたりにざっと飜譯したものを別エントリで取り上げる予定ですけど、内容の方はアンマリ期待しないでください(爆)。
推理野葡萄では寧ろ先月に續いて、余心樂氏が「台湾推理文學活動的第一歩」というタイトルでスイスのミステリ文壇事情について書かれているのが面白かったです。特に今、陳嘉振の「布袋戲殺人事件」を讀んでいて、「世界の中で日本や台湾のミステリはどうあるべきなのか」なんて、おおよそボンクラらしくない高尚なことを考えたりしてしまっているゆえ、余氏の海外における活動が台湾のミステリ界とどのようにリンクしていくのか興味のあるところですよ。