藍霄氏の「推理(偵探)小説的基本元素與架構」を取り上げる予定だったんですけど、今月號の「野葡萄」に掲載されていた「人狼城の恐怖」の廣告があまりにイケているんで、こっちの方を先に取り上げます。
この小知堂文化の一面廣告は表紙をめくった一頁にドカーンと掲載されておりまして、ジャケの人狼のイラストを逆向きにして大きくフィーチャーしたデザインもさること乍ら、その煽り文句が素晴らしい。
史上篇幅最鉅的推理小説!
小知堂文化即將推出
徳國篇、法國篇、偵探篇、完結篇四部≪恐怖的人狼城≫、世界最長推理小説、帶有二階堂黎人一貫的奇詭與懷舊氣氣氛、交織大量不可能犯罪之詭計與複雜謎團、電影般的明快情節雜揉歴史與傳説、絶對令ni欲罷不能!
充満腥紅氣氛團與神祕傳説的本格推理小説
日本當代重量級本格推理作家二階堂黎人成名作
獲得1998年喜國雅彦偵探小説奨
入選1998年週刊文春最佳推理小説
獲得1999年十大最佳本格推理小説第一名
日本網友票選最希望拍成戯劇的推理作品第四名(史上最も長い推理小説!
小知堂文化からはまもなく徳國篇、法國篇、偵探篇、完結篇四部もリリース
「人狼城の恐怖」は二階堂黎人の持ち味である奇拔な仕掛けとあの時代の雰囲気が横溢する世界最長の推理小説。大量の不可能犯罪トリックに巧緻を極めた謎を織り交ぜ、さらには映画のごとき明快なストーリーに伝奇趣味を合わせたこの作品からあなたは目が離せない!
血腥い雰囲気溢れる伝奇推理小説
現在における日本推理界の重鎭階堂黎人の代表作
1998年には喜国雅彦賞を獲得
1998年には週刊文春ベストに入選
1999年には本格ミステリーベスト10で第一位を獲得
日本における「映画で見てみたい推理小説」ネット投票において第四位)
ざっと調べてみた限り、1998年の週刊文春ベストに入選、っていうのはちょっと微妙ですねえ。こことか見ると、「第三部 探偵編」「第四部 完結編」がともに11位にランクインということのようなので、入選というのはちょっと違うのではないかと思う譯です。それにしても驚いてしまったのは、「人狼城」が絶版ということですよ。
代表作が何故に絶版になってしまうのか、このあたりの講談社の対應に關してはかなり疑問。代表作が絶版って、これじゃあ二階堂氏の作品は全然日本では讀まれていない、みたいな印象を与えてしまうじゃありませんか。熱狂的なファンはいるかどうかは不明なんですけど、自分のような偏執的なファンは結構いると思っているんですけど如何。
さらにこのままだと、「二階堂黎人って作家に興味があるんだけど、簡単に手に入るやつで何かない?」とか、今回の「例の件」で興味を持たれた普通の人に聞かれても、こちらが紹介できるものといえば、氏の奔流とは微妙にずれた勘違いメタミステリとか大宇宙珍道中とか、そんなものばかりになってしまいます。どうか「吸血の家」だけでも絶版にはならないようにと祈るばかりですよ。
それと映画で見てみたい推理小説、なんて投票をやっていたとは知りませんでした。これって何なんでしょう?
そして前にも言及したこのジャケのデザイン。やぶにらみの雙眸に受け口でグフグフと牙を付きだした唇、なにげに濃ゆい眉毛、さらにはこのアップだとよく分からないと思うんですけど、アフリカの土族みたいな首飾りまでをあしらうという念の入れようで、微妙に青被りした色といい、當に本作の雰囲気を濃厚に傳える秀逸なキャラのデザインが素晴らしい。日本では絶版となってしまったまったらしい本作ですけど、復刻されたおりには是非ともこの台湾版のジャケ畫を採用していただきたいと思いますよ。