本屋に行ったらこの雜誌が平積みになっていまして、「プログレ番付 2006 発表!読者が選ぶベスト20」というタイトルに惹かれて立ち讀みすると、何と有栖川有栖と小野瀬雅生の對談が掲載されているじゃないですか。音樂雜誌というと最近じゃ「ストレンジ・デイズ」くらいにしか目を通さないんですけと、思わず購入してしまいましたよ。
で、卷頭の特集「レノン vs マッカートニー」なんていうのは軽くスッ飛ばしてまずは「発表!読者が選ぶベスト20」なんですけど、……うーん、自分的にはかなり「?」の結果でありまして。どうもこの雜誌の購買層がよく分からないんですけど、アンケートのコメントなどを見る限り、自分より先輩の40代50代の方が多いようです。で、一応ランキングの結果は以下の通り。
1 ピンク・フロイド
2 イエス
3 キング・クリムゾン
4 エマーソン・レイク & パーマー
5 ジェネシス
6 エレクトリック・ライト・オーケストラ(ELO)
7 エイジア
8 ボストン
9 アラン・パーソンズ・プロジェクト
10 四人囃子
11 U.K
12 ムーディー・ブルース
13 ラッシュ
14 ドリーム・シアター
15 キャメル
16 マイク・オールドフィールド
17 CAN
18 ソフト・マシーン
19 ルネッサンス
20 カンサス
……さて皆さん、どう思います、この結果。まあ、色々と意見があると思うんですよ。例えば「何故マグマが……」とか、「何故P.F.Mが……」とか。自分的にはその他、「何故V.D.G.G.が……」とか「何故四人囃子があって美狂乱とKENSOが……」とかいいたいんですけど、總本山、ディスク・ユニオン新宿・ブログレ館の店長も「6位から9位の結果にはびっくり」と書いています。うーん、この雜誌をリリースしているのは「日経BP社」というところから、普通のプログレマニアとはやや異なる層の方々がアンケートに答えた結果なんでしょうかねえ。まあ、このアンケート、總本山のお客さんに行ったらかなり違った結果になったのでは、と思いました。
で、件の對談内容なんですけど要塞に圍まれたエマーソンの表紙も含めて全四頁。内容の方はそんなに濃厚ではありません。ただ、有栖川有栖の紹介として、
ミステリ作家。「新本格」の旗手。著書に「月光ゲーム Yの悲劇 ’88」、「ブラジル蝶の謎」、「マレー鉄道の謎」「スイス時計の謎」など。
ってあるんですけど、これはプログレの對談なんですから、やはり著書に「幻想運河」は入れておくべきでしょう。
で、有栖川氏的に、もし今回のアンケートに答えるとしたら、一位はフロイド、二位はクリムゾン、だそうです。で、三位は「強引に言い張」ってツェッペリン、と。他には氏はフロイドのフリークだと(バレバレ)告白し、そのあとは「原子心母」と「宮殿」の話をチョットだけして對談は終わり、……って物足りないですよ。
思うに有栖川氏の代わりに綾辻センセあたりを召喚してくれていれば、ゴブリン絡みでもう少し濃厚なイタリアン・プログレの話なども交えて盛り上がったのではないかと。最もそうなるとこの雜誌の趣旨とはかなりかけ離れた内容になってしまったかもしれませんけどねえ。法月氏で難解なクリムゾン談議でも可、でした。
という譯で、プログレマニアにはあまりに薄すぎる内容だった譯ですが、逆に有栖川氏のファンは意外と愉しめるのではないか、と思いました。アリス・ファンには本屋でチェックされることをおすすめします。