人柱シリーズと題して取り上げた南雲堂の「天に還る舟」と「碧き旋律の流れし夜に」について色々と調べてみたんですけど、この両作、ROOM-S-PRODUCTIONにあったこの「島田荘司先生との共著作募集」がきっかけだったんでしょうかねえ。
で、まあ、「碧き旋律」の方はソロリリース、そして「天に還る舟」の方はこの募集要項で書かれているとおり、御大との共作となった譯ですけども、ここで氣になったのが、
ジャンル
オリジナルの本格ミステリーもしくは御手洗物の本格ミステリー(島田先生の御手洗作品の正典に組み入れられます)
あの、……島田先生の御手洗作品の「正典」って。「天に還る船」は御手洗ものというよりは吉敷ものに入ると思うんですけど、「龍臥亭幻想」で両シリーズがクロスした今、どちらがどちらというのは無意味なのかしら、……ってそういうことではなくて、「正典」っていうのは何なんでしょう。御大はラヴクラフトで、御手洗ワールドはクトゥール神話みたいになって、将来的には「天に還る舟」の海老原青年が御大の作品で石岡君とコンビを組んで事件の解決に乘り出したり、「碧き旋律」の「ぱふぱふ先輩」と里美コンビとかとか、こういう組合せの物語が生まれちゃったりするんでしょうか。うーん……微妙、ですな。
個人的には「碧き旋律」の探偵役である「ぱふぱふ先輩」は初期のころの伊集院大介を思わせる飄々としたキャラで好感がもてる。何となく石持作品の探偵役と微妙にかぶっているような氣がしないでもないか。