孫燕姿の最新作。前回、「To be continued」という印度風味を加味した傑作を出した後なので次はどんな手で驚かせてくれるかと期待して聽いてみたのですけど、意外とまともで、音の質感はセカンドに近い。まあ、佳曲揃いではあるのだけども、「これは!」というような際だった曲がないのがちょっと弱い。
好みでいえば、サビところでマイナーに転調する「聽見」が良い。しかし「慢慢來」なんて曲はケリーチャンあたりが歌いそうな、ベタベタな歌謠曲。こういうのを彼女が歌う必然性というものが何處にあるのかちょっと疑問。
全体を通して際だった曲はないといったが、寧ろそれをこのアルバムの特徴とすべきなのかもしれない。どの曲もスローテンポの落ち着いたもので、じっくりと聽かせる曲ばかりなのもちょっと違うな、と感じてしまった原因ではないかと、再度聽き直して思った次第。
ただ後半、八曲目の「種」あたりからはエスニックな雰圍氣となり、これからの変化を期待させる出來となっている。
最後の「Stefanie」は素朴なピアノとギターとアコーディオンの音色をバックにフォークっぽい歌い方でなかなか聽かせる曲。
殘念ながら、前作を超えているとはいえないけども、セカンドあたりが好きな人だったらきっと氣に入る筈です。
もう暫く聽いてみないと本當の良さは分からないのかもしれないです。