昨日、台北より帰国いたしました。というわけで、九月の大ネタのひとつである島田莊司推理小説賞に関する御大の訪台をレポートしたいと思います。受賞式典が行われたのは四日なのですが、その前日の三日――台北に到着するや御大はホテルでひと休みしたあと、島田莊司展が行われている皇冠のビルへ直行した、とのこと。このときにはすでに島田莊司全著作のほか、「異邦の騎士」のバイクやメイド・イン台湾の「斜め屋敷」の模型などなど、ほとんどすべて展示されていたのですが、御手洗潔の部屋を再現したスペースにて最後の仕上げとしてあるものを黒板に描く必要がありました。
で、まずはこんなふうに黒板をテラスふうの窓の前に立てかけて、何やら描き始めたわけですが……
マルが五つ、とこれだけで判る人にはピン、と来てしまうかと思います。もう少し進んでみるとこんなかんじ。
で、最後の写真は御大が左下に御手洗潔のサインをしているところ。日付を入れてください、と皇冠の編集者にいわれ、アメリカ式に9.3.09と入れて完成です。
日本の展示にはない、台湾でのウリはまず島田莊司全著作が壁にズラリと並べてられているところでありまして、日本のものはもとより、台湾、大陸、アメリカ、韓国まで、そのすべての著作が壁一面に飾られているところは圧巻、でありました。
そのほかには皇冠のスタッフが搜しまわってようやく台湾で見つけてきたという「異邦の騎士」で例のシーンに颯爽と登場する御手洗がまたがっていたバイクが展示されていました。また、以前のエントリでも少しばかり紹介した、この島田莊司展のために撮影されたという短編映画ですが、作品の方は「奇想、天を動かす」と「占星術殺人事件」でした。北は嚴寒の北海道とは舞台を異にして、台湾の列車の中に舞台を移したとはいえ、ピエロの異様な雰囲気から、トイレの例のシーンをおぞましく再現したところは素晴らしいと思いました。台湾の本格ミステリをモチーフにした映画としては、今回入賞した林斯諺氏の「羽球場的亡靈」と並んでチェックしておくべき一編といえるのではないでしょうか。
――とこんなかんじで、島田莊司展での下準備も終えていよいよ四日の式典となるわけですが、一つのエントリに写真をたくさん貼り付けてもアレなので、式典の模樣は次のエントリで詳しく述べたいと思います。というわけで、以下次號。