芦辺拓の本を大人買いして美術書のコーナーを覗いてみたら、おや、美術手帖の六月號に鴻池朋子のインタビューが。
鴻池朋子といってもミステリ好きにはあまりなじみのない名前でしょうけど、幻想小説好きだったら、マルキ・ド・サド原作にしてあの澁澤龍彦譯、ホラー・ドラコニア「狐媚記」のジャケの繪を書いている人ということで知っている人も多いのでは。
……って、ここでは鴻池朋子じゃなくて、この美術手帖、何と舞城王太郎の「繪」(小説じゃなくて)の特集記事が組まれているんですよ。
舞城王太郎、小説もこなし、画家、というかイラストも描いてとまさに多才っぷりを発揮しておりまして、さながら平成のコクトー、……なんていうと何だか「下町のナポレオン」みたいで全然恰好良くないんですけど、舞城王太郎に興味がある人は本屋でちょっと手に取ってみては如何でしょう。
それと内田麻紀さんの書き込みで予告があったとおり、今月のWiLLは桐野夏生氏のインタビュー。
これも結構興味深いことが書かれていて、前に殊能 将之氏の「ハサミ男」を取り上げたときに少しだけふれた99年12月號「ユリイカ」のインタビュー記事(これは丁度「OUT」がリリースされたときのもの)と比較しながらコメントしたいんですけど、その前に「グロテスク」を再讀して「魂萌え!」を讀まないといけないんでまた時間がある時に。
今回は藤原新也氏と飯沢耕太郎氏の對談も載っていて個人的には大滿足の一册でありました。