學生時代からずっとプログレばかり聽いていたので、この歳になっても面白い、と思える音楽はどうしても「プログレつぽい」ものになつてしまう。
で、孫燕姿なのだけども、臺灣香港のチヤイニーズポツプスに興味のある人でもない限り、知っている人は少ないでしょう。臺灣では有名も有名、若者の中で彼女を知らない、という人は恐らくいないのではなないでしょうか、餘程の變わり者でない限り。
臺灣でブレイクした彼女ではありますが、實際はシンガポールの歌手。ファーストも悪くはないのだけども、臺灣でブレークしたのはセカンドとなる「我要的幸福」がきっかけでした。このセカンドは大變な傑作で、現時點で彼女の代表作は何か、といはれれば迷ってしまいますね。セカンドか、或いは今回取り上げる三枚目の「風箏」か、はたまた六枚目の「未完成」か。
「我要的幸福」も七十年代を髣髴とさせるハモンドオルガンの音色やトラッド風のギターなど、プログレフアンに訴えるものも澤山あるのですが、この「風箏」ではそのまま、「緑光」という曲をやつています。これが凄い。トラツドといってもアコーステイックギターに乘せて爽やかに、というやつではなく、あの伊太利亞の至寶Areaを思わせるすさまじい變拍子のダンスナンバー。
で、もっと凄いのが、臺灣の人たちはこの難しい變拍子の曲をカラオケで歌つていたんだよねえ、當事。VCDを見ると、ライブでも彼女はこの曲を歌っているのですが、観客の皆も乘りに乘ったようすで手拍子も交えて盛り上がっていた。しかし、繰り返しになるけど、この變拍子の曲に手拍子は絶對に難しいと思ふぞ。このVCDライブの光景は、「.7月,8月,9月(黒)」を熱唱するデメトリオに盛り上がる七十年代の伊太利亞を髣髴とさせる、….譯ないか。